叢生とは?
歯が一列にはえているのではなく、凸凹に重なってはえている状態をいいます。主に、前歯部にみられます。(八重歯など)
顎骨(歯槽骨)の幅に対して歯が大きい場合に起きます。(歯が綺麗に並ぶためのスペースが不足している)
そのため成長期においては、歯槽骨の成長を促す治療が選択されることが多いです。しかし、個人差や限界も存在するため、診断のない不必要な拡大治療は避けなければなりません。スペース量の診断には、成長期であっても成人においてもCTによる3次元的な診断が重要になります。
叢生の原因
骨格要因としては、遺伝的要因だけでなく、筋機能や習癖などによる歯槽骨幅の狭窄が挙げられます。歯槽性の要因としては、歯幅が大きいことが原因となります。現代人は歯幅が増加していると言われています。
叢生による弊害
叢生によって清掃性は悪くなり、口腔内細菌の増加を招くことがあります。その結果として、虫歯や歯周病リスクが高く、口臭などの原因にもなります。
また、様々な機能的な問題をひきおこすため、叢生によって3次元的に問題を把握しなければならないです。病態も様々であり発音障害、咀嚼障害、審美障害による心理的障害も懸念されます。
叢生の治療
スペースの確保が必要になります。成長期においては、歯槽骨の成長促進を行いますが、個人差があり、場合によっては成長終了後に抜歯などの治療を行わなければならないことがあります。
また、どの年齢においても、あくまで骨の幅の中での歯列の拡大(前方・後方・側方)、顎骨完成後においては抜歯や歯間部の削合によるスペースの確保にて改善を行います。
過度な前方拡大は口元の突出や、口唇閉鎖不全などの問題を引き起こします。また、過度な拡大は安定性や咬合などの機能的問題を引き起こします。
健康な歯を抜かないことは、もちろんメリットでありますが、全ての患者が非抜歯で治療を進められるわけではありません。そのため、CTによる3次元的な診断は必須であり、どこを治したいかを治療前に担当医と相談し、明確な目標を立ててから治療を進めていくべきであります。